1985年の作品。 高中正義は、1953年3月27日生まれ、東京都出身のギタリスト、プロデューサー、作曲家です。 高校在学中、府中の米軍基地にあるクラブのバンドで演奏していた彼は、3年生のときに、小坂忠や細野晴臣が在籍したバンド、エイプリル・フールのコンサート中の「誰かギターを代わりに弾いてくれ」という呼びかけに応じてステージに上がり演奏したことがプロ・デビューのきっかけになりました。 その後、岡林信康のバック・バンドを務め、1971年にストロベリー・パスの正規メンバーに迎えられ、バンド名はフライド・エッグと改称され、音楽理論とギター奏法の基礎も実践で学び、スタジオ・ミュージシャンの仕事も始めます。 そしてフライド・エッグ解散後、加藤和彦が結成したサディスティック・ミカ・バンドに誘われて、これが彼のキャリアのターニング・ポイントとなりました。 バンドは英国の音楽プロデューサーのクリス・トーマスからプロデュースの申し出を受け、1974年にセカンド・アルバム『黒船』を発表し、このレコーディングで当時の最新のスタジオ・ワークや、ロキシー・ミュージックの全英ツアーの前座を務めたことで、音楽的な視野が広がることになります。 そして1975年、サディスティック・ミカ・バンドの解散後は、1978年までサディスティックスとして活動しながら、1976年には自身初のソロアルバム『SEYCHELLES』を発表します。 そして彼の音楽性も、当時のトップ・ロック・ギタリストだったジェフ・ベックと同じように、ギター・インストゥルメンタル曲をメインに、ジャズ=フュージョンへの接近を大胆に行うようになり、特に彼は夏や海を連想させるメロディアスで親しみやすい曲調で、サーフィンなどの流行に敏感な若者層全般まで支持を広げて行きました。 今作は彼の12枚目のアルバムですが、従来のスタイルに加えて、海外のリスナーを意識したエキゾチックなシティ・ポップに仕上がっています。 『CHINA』は、矢野顕子と吉田美奈子がコーラスで参加し、『渚・モデラート』『Chase』は、当時の東芝ビデオ「ビュースター」CMソングという具合に、時代の気分を捉えたシティ・ポップが並んでいます。 国内盤なので、歌詞入りスリーブは揃っています。 帯はありません。 経年による色褪せやスレがありますが、それ以外は美品です。