1988年の作品。 ザット・ペトロール・エモーションは、1984年にロンドンで結成されたバンドです。 北アイルランド出身の人気パンク・バンド、アンダートーンズの解散後、バンドの元ギタリストでメイン・ソングライターのジョン・オニールは故郷に戻り、ギタリストのレイモンド・ゴーマンと出会い、新しいソングライティング・プロジェクトを結成します。 そこに友人であり、アンダートーンズのライヴにも参加したことのあるドラマーのキアラン・マクラフリンが加わり、ジョンの弟で元アンダートーンズのギタリストのダミアン・オニールがベーシストに転身し、シアトル生まれの米国人シンガー、スティーヴ・マックもバンドに加入し、ラインナップが完成します。 そして1985年7月に北アイルランド紛争に関連する問題を取り上げたデビュー・シングル『Keen』を、同年9月にセカンド・シングル『V2』を発表したのち、1986年のデビュー・アルバム『Manic Pop Thrill』がインディ・チャートで1位を獲得し、批評家から絶賛されました。 その後メジャー・レーベルのポリドールと契約した彼らは、1987年のセカンド・アルバムを全英30位、シングル『Big Decision』を全英42位のヒットとしますが、同年のシングル『Genius Move』は、スリーブ・アートワークにアイルランドのナショナリズム政党のシン・フェイン党への言及があったために放送禁止となり、これを機にヴァージン・レコードに移籍しました。 そのような過程を経て発表されたのが、サード・アルバムである今作です。 『Groove Check』のようなダンス・ミュージック、『Here It Is... Take It!』『Tension』のようなオルタナティヴ・ロック、『Goggle Box』『Under the Sky』のようなケルティック風味、『Cellophane』『Sooner or Later』『Every Little Bit』のジャンルをミックスしたようなチャレンジなど、バラエティに富んだ内容は、自分たちのルーツや政治的メッセージを含んだ、円熟さを感じさせるスタイルにもなっています。 米国輸入盤のため、英詞が記載されているのみで、日本語関係の資料はありません。 レコードを入れている紙袋に、少しだけ破れがあります。 それ以外は美品です。