NーⅠロケット最終機(Nロケット9号機)打上げ記念/技術試験衛星Ⅲ型(ETS-Ⅲ)「きく4号」追跡管制記念スペースカバーは、N-IIロケットの前から運用していたN-Iロケット(電波誘導方式)の最終号機と搭載された、ETS-III型衛星の記念ペースカバーです。ETS-III型は、その後の実用人工衛星の大電力化に向けた3軸姿勢安定方式の人工衛星の試験を行いました。当時の実用衛星はスピン姿勢安定方式という駒のように衛星自体を回転させて姿勢を安定させる方式をとっていました。 打ち上げ記念のスペースカバー ロケットの打ち上げ成功や人工衛星の追跡管制開始に、その喜びとともに旧NASDA/ISAS時代から発行されてきたのがJAXAのスペースカバーだ。打ち上げが成功した日の午前中の消印がついたその封筒は、江戸時代に花開いた日本の木版画の文化・技術が込められ たスペシャルな記念封筒として、宇宙愛好家たちの心をときめかせた。 1980年にはじまったJAXA(当時はNASDA/ISAS)のスペースカバーは、浮世絵の伝統技術を使って、東京・銀座にある渡邊木版美術画舗が制作を担ってきた。1枚1枚絵師、彫師、摺師、そして封筒に仕立てる職人が関わり、手刷りの多色刷りで行うため、単価は高くなるが、なんとか原価近くで販売をしていただいてきたものです。 2012年の「こうのとり」3号機で製作は残念ながら終了してしまい、日本のスペースカバーはそれ以降発行されていません。