フランス語学の最先端の研究を紹介するシリーズ第2巻。 本巻は時制をテーマに、広く一般言語学的視野を射程に収めた論文11本を集める。 各時制についての研究だけでなく、時制体系全体や時制と視点に関する研究も収めるが、バンヴェニストに端を発する発話主体や発話態度に注目した論文も多く、時制研究に大きな刺激を与えることが期待される。 定価:¥5,500 【目次】 まえがき フランス語の時制と認知モード:時間的先行性を表わさない大過去を中心に 半過去形の叙想的テンス用法 事行成立と時制構造 単純未来形の意志用法:時制とモダリティを表す仕組み 叙想的時制、叙想的アスペクトと認知モード 情報の部分性と全体性:実況中継に用いられる現在形を巡って フランス語現在形と不定性 フランス語における現在形の特徴 時を表す副詞節における半過去と談話的時制解釈 複合過去の表す完了 過去の語りに潜在する「わたし」・「いま」・「ここ」