昭和17年 無双直伝英信流の口伝を記述した書「無雙直傳英信流居合術形 嶋 専吉 述」で、兄弟子二十代宗家河野百錬が図譜などに記載した形以外が掲載されているようです。 巻頭に、 「本資料は、福井春政十九代宗家の弟子で有り、無雙直傳英信流二十代宗家の兄弟弟子になる嶋専吉が従来口伝で継承されてきたものをまとめたものである。「太刀打・詰合之位」については兄弟子河野百錬が居合道図譜などに記述しているが、それ以外の伝を嶋専吉が備忘録としてまとめた物を活字化した。 昭和17年の戦時色が濃くなった折、「挺身報国」の精神を以て発刊され、再版されていないことから戰後土佐で英信流を研鑽した岩田憲一が原書復刻した。」 と書かれているので貴重かもしれません。 居合道家・武道家の岩田憲一が残していた「昭和36年 四国連合居合道研究会」という大変古い当時の16ミリフィルムを動画ファイル化した画像や、当時の土佐英信流の武道家で江戸時代の英信流の流れを汲む十七代宗家大江正路の直門である 森繁樹、山本晴介、山本宅治という大変古い武道家のフィルム記録をPCで観られるようにされた昭和30年代撮影の英信流の技の動画がディスクに収められています。 四国研究会の画像には、昭和36年の河野百錬師も演武されています。 参考に、明治の居合人 中山搏道の参考画像も収録されています。 大江十七代宗家は幕末の生まれで、明治から大正の武道家だそうですので、当時の直弟子の技は幕末・明治の古伝英信流の技でしょう。 英信流という流派や古武道・居合家には良い資料ではないでしょうか。