自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。 一攫千金の野望を持つ影谷は、金ブームに目を付け金取引で金を騙し取る「豊光商事」を設立する。その手口は、実際に金は購入せず代金だけ貰い、顧客には購入した金を運用していると思わせる証券を渡すペーパー商法だった!現物引渡しも返金もしない極悪非道な手法に顧客は悲鳴をあげるが、影谷はさらなる商法を展開していき…。 レビューより 豊田商事・永野一男が引き起こした最大の詐欺事件 登場する団体名と個人名に仮名が使われている部分があるとはいえ、実話に基づいた小説。ある真宗系教団が発する教えが商業カルトを暴走させた?そしてその教団には商業カルト企業から多額のお布施が献金された。宗教の教えが詐欺商法を精神的に支え、詐欺で荒稼ぎしたお金がその宗教団体を経済的に支えることになったという構図の話。 実体のない取引で多くの国民を騙し挙句の果てにはヤクザに殺されてしまう短い人生と彼のやった悲惨な結末にただただ怒りを覚える作品だった。 父親を、そして故郷岐阜県恵那郡東野村を呪い続け彼の鬱屈した性格が根底にあることは確かだがこれまでに人は残酷になれるのか、何が彼を変えたのかは謎が多い。 1980年代前半、社会問題となったマルチ商法で巨万の富を得るも、最後には2人の男によって刺殺され、その様子がマスコミによって全国に放映されるという、様々な意味で世間を騒がせた巨大商事・豊田商事。その会長である永野氏とその会社をモデルにしたドキュメント小説。何が1人の青年を金の亡者に変えたかはわからない、けれど、どんなに彼に同情の余地があろうとも、罪の無い人々を騙す人間を同情する気にはなれない。