自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので表紙など経年変化はございます。ご理解頂ける方にご入札をお願い申し上げます。 大人であるとはどういうことか−「誇り」や「恥」を忘れ、「善意」と「親切」で事に当たれば全てが解決すると錯覚している幼稚な幼稚な日本人。その堕落の根本原因を直言する、衝撃の日本人論。 「高い価値を、押しつけることができる者が、その責任を負う覚悟をもった者が、大人である。そして、その価値は、逆らうにしろ戦うにしろ、『国』にかかわる広がりから生まれるものだ」という著者が、"誇り"を失い、"恥"を忘れた幼稚な幼稚な日本人にその根本原因を直言する、痛烈無比の日本人論 レビューより 著者が「終りのご挨拶」で書いているように、「反動的な書物」である。日本人の「幼稚さ」、言い換えれば「堕落」を厳しく糾弾する。その「堕落」の主な要因は、戦後の民主主義下において日本人が、「自由」とか「多様性」といった価値観を称揚し、あらゆる抑圧を否定してきた結果として生じた「責任回避」にあると説く。戦争は悪なのか、そもそも悪とはなんなのか、生命はなににも優先して尊ぶべきものなのか、という根源的な問いを放棄し、「言葉の自動機械」のように政治家やマスメディアから発せられる文言を鵜呑みにして繰り返すことを批判。そうした完全なる思考停止の状態を抜け出し、それらの問いについて考えを巡らせ、自らの生を引き受けることから始めなければならないという。自分自身の在り方を顧みなければならないな、と感じた。 著者は、「誇り」と「プライド」は違うと述べています。「プライド」とは、自分が特別な「個性」を持っていると思いたがる驕りにすぎず、その裏づけになるものといえば、「せいぜいクレジット・カードがゴールドだとか、自家用車が高級車であるといった程度のもの」だとされます。一方「誇り」を持っている人は、何が本当に大切なことかを知っている人だとされます。何よりそれは、生命よりも重要なものと考えられています。 こうした、生命以上に「価値のあるもの」が存在するということを、子どもたちに教えることこそが本当の教育だと著者は述べます。さらに、個人よりも大きく、長い時間をかけて存在し、私たちがそこから出てまたそこへ帰っていく、自己の生命を超えた尊いものこそが「国家」であり、その価値への尊奉をなくしてしまったら、あらゆる価値の指標がなくなってしまうと主張されています。